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2008.09.05

Birdcage つづき

Imgp3900

9/1にULしましたBirdcageの話のつづき
かなりマニアックなお話になりますので、興味のある方はどうぞ!

前回の話の流れ
Tipo 60/61 -65 Birdcageのフレームは、プロトタイプで硬い鉄を用いて作成したが、テストドライブの結果、多くのクラックが発生したので、以降はフレームに粘る鉄を用いたということでした。しかし、一般的にBirdcageのフレームはクロモリ鋼が使われていると知られています。それは非常に粘りのある鉄で高価であるのに・・・ということでした。
私自身、人から聞いたお話でしたので何故?という疑問も残り不思議に思ったので、ちょっとマニアックに調べてみました。

残念ながら、Maserati関係の書籍は日本の自宅に眠っていて、手元にはほとんどありません。
よって今回は最大限のネットワークをフル活用してみました。

ではまずフレームの素材とそのコーチワークについて


-"Maserati Birdcage" by Joel E Finnによると
フレームは10, 12, 15mmのクロムモリブデンチューブが使われ、Masereati社内で作成され、その後のボディーワークはAllegretti Brothersに送られた後、未ペイントのままMaserati社に返却された。

-"MASERATI - A complete history from 1926 to the present" by Orsini & Zagariによると
フレームは一般的な鉄が使われた。その理由は溶接のクラックやボディーの変形を防ぐためということ(前述の理由と同じ)。その後のボディーワークはGentiliiniとAllegrettiの工場で行われた。

-"Red-Hot Rivals" by Karl Ludvigsenを読むと(先日紹介したもの
Tipo61はクロムモリブデンチューブで作られ、軽く尚かつ丈夫なフレームである。

-"Birdcage to Supercage" の著者であるWillem Oosthoek氏に聞くと
Tipo60プロトタイプ=第1号車は最高級の鉄が用いられた。しかしテストドライブの結果、多くのクラックがフレームに発生したため、以降はボディーの変形、破損を防ぎシャシー性能のバランスを考えた結果、より低級な鉄が用いられた。("Birdcage to Supercage" の書籍内ではフレームの材質について言及されていない)

-Maserati社のクラシック部門の相談役であるE Cozza氏に聞くと
(氏は1951年にMaseratiへ入社、長年レーシグチームの技術集団であった)
プロトタイプはクロムモリブデンチューブによって作られたが、テストドライブの結果、あまりに硬く強かったためうまく機能しなかった。よってそれ以降、全てのBirdcageは普通の鉄を用いて作成された。

とのこと。


先のG Manicardi氏や、今回のE Cozza氏の話が合致することや、なんといっても彼らはその現場にいたので、最初のプロトタイプ=クロモリ鋼、それ以降のBirdcage=普通の鉄が用いられたというのが、Bircageの真実でした。
フレーム作成は社内、その後のボディーワークは外注のようですね。


こうやって調べた後に思ったのは一般的に知られている事実や、書籍にも間違いが多いということ。(先日のRed Hot Rivalsもそうだし、Birdcage専門書もクロモリ鋼となっている、Willem Oosthoek氏はこのような間違いを訂正するのが、本を書くひとつの動機だったようです)
私も今まで、Birdcage=クロモリ鋼って思ってました。
マニアックだけど面白いお話でした。

追伸
-しかしこれが面白いとおもえるのは、かなり病気です>私
-粗悪な鉄 → 粘る鉄、一部訂正いたしました。

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Comments

高級鋼=高炉の鉄
フレームにクラックが入った=これって溶接部分のこと?
(溶接技術(溶接棒も含む)が低かった?)
普通鋼の鋼管=肉厚が薄く出来ない(軽量化出来ません)
機械構造用の鉄=炭素が入ります(電縫管は帯鋼)
うーん、分かりません。

一般的な機械構造用の鉄ってことで落ち着かせることが落とし所なのかな。


Posted by: イノウエ | 2008.09.05 at 23:39

ふむふむ。。。

またまた、勉強になりまするぅ〜。

んで。
↑・・・僕も、これが面白いと思える...って事は。。。
やっぱり、僕も病気ですか?

Posted by: ghie | 2008.09.06 at 00:16

イノウエさん
ご想像の通り、溶接部に多数クラックが入ったということです。
当時の水準の溶接技術は? あんなフレーム誰も作ったことがない!
ゆえに試行錯誤したのではないでしょうか?
いずれの鉄でも軽量であった訳ですし、レースでもFerrariをよせつけなかったのでTipo61は成功作と思っています。
鉄の種類については専門外ですから、私にはなんとも・・・

ghieさん
十分病気ですから・・・三鉾に射抜かれていますよ!!!

Posted by: marque | 2008.09.06 at 01:48

Birdcageは美しいのを通り越して凄みすら感じますね
この時期、スポーツカーのレギュレーションが変わって
F・ウィンドウが大きくなりましたでしょう?
あれなんか、今からすれば、このゲージを見せる為だったようなもんですね(笑)

Posted by: フォルギエリ | 2008.09.11 at 02:08

フォルギエリさん
まさに凄みを感じます、計器類は骨組みに浮かんでいるって感じですもんねぇ! ヨーロッパのGentleman driverに聞くと皆、「憧れるし欲しい」って、やっぱり皆に衝撃的だったのですね!!

Posted by: marque | 2008.09.11 at 07:07

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